子どもの泣き声がすると警察に通報された件②
前回のつづき
警察に通報されてから、児童虐待の定義について調べていた。
だって、帰り際にお巡りさんに
「外に出すのは虐待です。」と断定されましたし。
で、児童虐待には
●身体的虐待
●精神的虐待
●ネグレクト
●性的虐待とあるわけですが
身体的虐待だと、寒い時期にベランダに出すとか、ベランダに宙吊りにするとか、そんなことが例に挙げてあるわけで
さらには、それらが日常的に繰り返されている。とも書いてあります。とはいえ、ここからが虐待であるとか、ここまではセーフとか、はっきりした線引きができるわけでもなくグレーゾーンも多くなります。
わたしは、離島に移住する前は内地の病院の集中治療室勤務が最も長くて、6年ぐらい働いていました。そのとき、まだ1歳代の幼児がある緊急手術を受けて集中治療室に入ってきました。
プライバシーに配慮して、詳細は書かないようにしますが、保護者はテーブルから、落ちたと言っているのですが、担当医の方は、テーブルから落ちただけで、こんなになるか??こんな、緊急で手術しなければならないような状況に。と、首を傾げているわけです。
で、保護者の様子はどんな感じ?と、看護師に聞きにきたわけです。虐待を疑ってるんですね。通報した方が良いのかどうかと。
その患児は、兄弟がいて、お母さんは妊娠中。お父さんはお見舞いにもあまり来れないぐらい仕事が忙しい。
患児は、入院時、あきらかに清潔は保たれているし、爪も短い。お母さんは、もちろん家庭でそんなことになりショックで動揺している。
とはいえ、医療従事者に、その家庭で虐待があったかどうかを調べる権利などはないわけで、専門機関に委ねなければなりません。結局、複数の医師が相談したうえで、やはり家のテーブルから落ちたぐらいで、ここまで生命に関わる大怪我をするとは考えにくいということで、児相に通報。
患児本人はみるみる元気になって、食事も喜んで食べるようになり、集中治療から一般病棟にうつりましたが、、、
その後、その子が保護されたことを知りました。
児相は本当に、よく調べてくれたのだろうか?
医師が怪しいと言ったら、その時点で、虐待確定にされてしまうのではないだろうか?
連日、虐待のニュースなんかを見れば、驚くような事件が日々流れてくるので、一本の通報が命を救うかもしれない。と、いうのもわかる。
もしかしたら?と、不安に思うのもわかる。
まぁ、その子の場合、保護者が叩きつけた結果、緊急手術が必要な事態になったのか、本当にテーブルから落ちたのかは、証明のしようがないにしても、
「家庭内で生命が脅かされる状態に陥った」ということだけは、確かであった。だから、その原因がグレーゾーンだったとしても、一旦保護して環境を整える必要はあったのかもしれない。
でも、一度疑いをかけられると、なんとも説明のしようが難しい。
自分で言っているセリフも、ニュースでみた虐待親が言ってた内容とそっくりだと感じると、言葉をためらってしまう。
子どもたちが大げんかで泣き喚いているとき、前なら、子ども同士のケンカに親は介入しないと決めていたので見守っていたのが、
もう辞めなさい。ご近所さんが、びっくりして見てるから!と、必死に黙らせなければ。と、いう心境になった。
それから、児相のポスター。それまで意識していなかったが、あらゆるところに貼ってある。
189
イチハヤク
変だと思ったら189イチハヤク通報。
なんだかな。
わたしが納得いかないのは、通報者は匿名でもよいというところ。
これだと、例えば隣の家はこどもがうるさいなぁ。迷惑めいわく。と、思ったらひたすら通報すれば良いということになってしまう。
通報者の情報が外部に漏れることはないのだから、せめて自分の名前を名乗って責任を持ち、こういう状況で、隣のこどもの様子がおかしいので。と、言って欲しい。
わたしにも反省する部分はあるけれど、
虐待をしていないという証明は悪魔の証明。
非常に難しいことなのだから。
そして、疑いの目を向けられたというだけで、こんなにもストレスになるのかと。何日もショックで、仕事をしていても少しの合間に涙が溢れてきたりしました。メンタルは強い方だと思っていたけど。。。